『命の意味 命のしるし』『生き物が大人になるまで』
最近読んだ本2冊。
『命の意味 命のしるし』
釧路湿原野生生物保護センターで主に猛禽類(他の生き物を捕食して生活をする鳥類)の臨床医をされている齋藤慶輔さんと、作家で文化人類学の教授でもある上橋菜穂子さんの対談の一冊。
図書館で息子の絵本を探していたときに目に入った一冊でした。(児童書コーナーにありました。)
普段なかなか知ることのできない“獣医師”と“作家”の仕事の様子を、対談を通して垣間見ることができます。同時に人間ってどういう生き物なのかを考えたりと、得るものが多い一冊でした。
印象に残った箇所を紹介させてください。
鳥というのは本当に「目の動物」
猛禽類というのは、飛びながら餌を探したりするので、目の情報がとても重要なのだそうです。頭蓋骨のレントゲンを撮ると、そこに映るのは“ほとんど”目“。 脳よりも目が大きいんですって。そして彼らは片方の目で獲物を探しながら、もう片方の目で自分の逃げ道を探すのだそうです。これを「片眼視」というらしいです。それを高速で飛びながらやってのけるのだから凄いですよね。
下記、獣医師の言葉
命を終えてしまった死体と向き合ったときでさえ、何をすればお前はこうならなかったのかと問いかけずにはいられないのです。
終わりがないのです。
臨床医とはそういうものだと思っています。
終わりがないのです。
臨床医とはそういうものだと思っています。
一つの命の死が、これから生まれてくる命を救うことになるかもしれない。
そこをつなげていくことが自分の役割だと思っています。
こちらは作家の言葉
•どんな時代であれ、何が正解か見極めるのは難しい。
人ができるのは、他者と自分の境界線の上に立ち、どうすれば共に生きていくことが出来るのかを考え続けることなのかもしれない。
•チンパンジーにとって世界は、つねに自分から見た世界でしかない。
ところが人間の子供は、あるとき、自分から見た世界だけでなく、自分の外に出て、自分というものをみる。
この「他者から見た自分」という視点を獲得したときに、人は初めて他者が自分と同じような存在であることを想像し、他者に共感できるようになるのです。
『傷ついた目の前の生き物を(治療を施して)治したいと思うこと』と『他者を理解しようとすること』
この2つは、人間以外の生き物にはできない事で、読み進める毎に対談者間のこうした共通点が浮き彫りになっていくようでした。
そして、こちらは
娘が中学校の先生からお勧めされてきた本。
『生き物が大人になるまで』
植物、昆虫、微生物、菌類。爬虫類、両生類、魚類、哺乳類。
いろんな生き物の成長について書かれた本。
そもそも成長ってなんなのか、という話から始まるのですが、『縦に伸びるだけが成長ではく、根を伸ばすことも成長。そして、成長の先に成熟があるのです。』『昔の人は、稲を育てるという言い方はしませんでした。イネは勝手に育つのです。人間がやることは、稲が育つような畑を用意する(耕す)ことでした』という部分が強く残っています。
この本を教えてくれた理科の先生の意図とは反するかもしれませんが(笑)、私としては育児書としてそばに置いておきたいような1冊です。
こちらは、ニシテイに置いておきます。
よかったらぜひ!
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